イエティを探す旅に出る(仮)

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映画レビュー:『恋はデジャ・ブ』

ある友人に勧められていて、しばらく観られなかった映画をようやく観ました。"Groundhog Day"(邦題:恋はデジャ・ブ)という映画です。
基本的なストーリーはありきたりといえばありきたりで、主人公が同じ1日を繰り返すというもの。面白かったです。


主人公フィル・コナーズは自己中心的な性格の気象予報士。2月2日とある田舎町に取材に行くと、悪天候で帰れなくなってしまう。そして次の日起きると、なんと今日も2月2日なのだ。どんなことをしても次の日はやって来ず、フィルはやりたい放題の毎日を送る。あるきっかけで自殺を繰り返すようになるもやはり2月2日からは逃れられない。フィルはある時から様々な人助けを始めるようになって...


こんな感じです。
ポイントは主人公の性格の変化ですかね。自己中心的な言動を繰り返していたフィルが、人のために行動するようになる。それも気まぐれではなく、彼らを毎日救っていくんです。
中盤のネタバレになってしまいますが...フィルは毎朝ホームレスのおじいさんに会います。ある夜、そのおじいさんが倒れているのを見つけ病院に連れて行きますが、おじいさんは亡くなってしまいました。次の日以降、食べ物をごちそうしたり話を聞いたりしますがどうしてもおじいさんは亡くなってしまう。これはフィルを変えるターニングポイントとなっています。
なぜ同じ毎日を繰り返すのか、これについての言及はありません。僕はそこが好きなのかもしれません。理不尽とも言えるけれど、「変えられないもの」があったとして自分はそれに対して何ができるのかということを考えてみたくなります。
また性格まで変わらないとしても、人間を含め動物は繰り返すことで学習し様々に適応していきます。主人公のちょっとした無意識の動きが少しずつ変化する様子も面白いと感じました。

邦題で「ちょっとな」と思う人がいるかもしれませんが、タイトルには似合わない優しい物語だと思います。
僕らは同じような毎日を送っていると考えがちです。でも、具体的に何が同じで何が違っているのか、何をどうすれば変えられるのか、変えられないものをどう受け止めていくか。そんなことを改めて考えさせられる素敵な映画でした。
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