イエティを探す旅に出る(仮)

ブログ名と内容は一切関係ありません。主に音楽、政治、哲学、お酒の話をします。

STAP細胞に対するNHKの報道を見て

理化学研究所の笹井さん、ご冥福をお祈り申し上げます。
このニュースを見て、録画したまま見てなかったある番組を見てみることにしました。NHKスペシャルの「調査報告 STAP細胞 不正の深層」という番組です。お盆にでも見ようと思っていたのですが、ネット上で「ああいうのが引き金の1つ」という意見を見かけたので時間を割いたわけです。

マスコミについては色々文句がありますし、NHKが小保方さんに対する取材中本人に怪我させたというようなニュースもやっており批判したいことはいくつかありますが、今回の特集はかなり丁寧に作られている印象を受けました。都合の良いものを集めた感じはありましたが全国・アメリカの研究者にインタビューを行い、どの段階で問題が起きているのか確かめようとするジャーナリズムの一端は垣間見ることができました。一番感心したのは番組の後半で再発防止のためにどうしていくべきか、いくつかの例を挙げて提案していたことです。問題が起きた時に重要なことは、原因究明と再発防止です。

笹井さんが亡くなられたことは悲しいことですし、日本の科学の発展にも大きな損失だと思います。ただ、彼の死が自殺なのだとすれば、その選択については無責任だったと言わざるを得ません。彼の選択は今後行き詰まった人に対して自殺という選択肢を与える可能性を高めてしまうでしょう。これまでエリートとして生きてきたからこそ、世間からのバッシングや傷ついたプライドに向き合っていく必要があったのだと思います。
また更に、組織としてのチェック機能が働いていないということも問題です。散々追い回した挙句に「追い込まれていたのでしょう」とか言っちゃうマスコミも問題です。
どの問題においても、中長期的な視点がないように思われます。それは最近の食品管理の問題など、企業絡みのニュースではお馴染みです。

今後同様の不正がなされないためにはどうしたらよいのか、またこのようないたましい事件が起きないためにどうすべきかをしっかり考えていくべきです。そのためにまず、今回の事件全体の真相解明が望まれます。